今年の世界選手権は、近年のそれと大きく異なるものがあったと思います。
それは、無線が使えないこと。
そして、今回のコースがより多くの人にチャンスがあるコースであったこと。
各国の出場人数は、ワールドランキングや大陸別ランキングで決定される。
一番多い人数は9人で、スペイン、イタリア、ベルギー、オーストラリア、アメリカ、ロシアといった強豪国。しかし、今年優勝したフースホフトのノルウェーは、日本と同じ3人。準優勝のブレシェルのデンマークは6名。(ノルウェーは本来9人枠。ただし、揃えた人数が3人)
レース中盤、イタリアやベルギーが主導権を握り、集団を分裂させる動きに出たが、無線が無いために分裂させた集団の動きや秒差などが分からなかったはず。しきりに後ろを見ていた。結果として、これが「無駄な動き」になった。分裂した集団に残されても、前の集団の状況が分からず、とりあえず追いつくため、その中で人数の多いスペイン、ロシアが足を使うことになる。
人数の少ない国は、人数の多い国に追走を任せるので、余計な足を使わずに済む。
結果として、無線が無いことが直接的な原因になったかどうか定かではないが、人数が多い国は多いなりの犠牲を余儀なくされて敗れ去ったように見えます。
因みに…
- フースホフト ~ノルウェー(3人)
- ブレシェル ~デンマーク(6人)
- デーヴィス ~オーストラリア(9人)
- ポッツァート ~イタリア(9人)
- ヴァンアーベルマート ~ベルギー(9人)
- フレイレ ~スペイン(9人)
- コロブネフ ~ロシア(9人)
- バザイエフ ~カザフスタン(7人)
- 新城幸也 ~日本(3人)
- Rフェイユ ~フランス(7人)
9人枠の国は全部で10カ国。そのうち、ルクセンブルクとノルウェーはフルで使用していない。
フルで使用した国(オーストラリア、イタリア、ベルギー、スペイン、オランダ、アメリカ、ロシア、ドイツ)のうち、イタリア、スペインは最後の最後でアシストを送り込めていない。アメリカに至っては、誰一人として最後の勝負に絡めていない。逆に、少人数のデンマークは2人のアシストを送り込めている。ここ最近10年間は、イタリア、スペイン、ベルギー、オーストラリアといった9人枠の国々がアルカンシェルを持っていった。
しかし、もしかすると、無線が無いことで9人枠の国が強い、という図式は崩れたのかもしれません。
さて、日本の3名は全員完走。新城選手の9位は、3選手の実力の結晶であったようです。
来年のコペンハーゲン大会は、今年よりスプリンター向きだといわれています。世界に通用するピュアスプリンターがいない日本にとっては辛いところではありますが、今回とは違った見せ場を作ってほしいと思います。
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