2011年5月21日土曜日

悲しみのイタリア ~ Wouter Weylandt、安らかに

今年の Giro d'Italia で衝撃的な事故が起きてしまいました。
第3ステージの終盤の下り坂で、Leopard-Trek の Wouter Weylandt 選手が落車、頭部を強く打ち、帰らぬ人となってしまいました。奇しくも、昨年の第3ステージではステージ優勝を飾っていました。

様々な関係者からコメントが寄せられていますが、Team Radioshack のマネージャー、ヨハン・ブリュイネールのコメントが印象的でした。

「ワウテルとは親しかったわけじゃない。
ホテルで会ったら会釈する程度の関係だった。
でも、そんな関係は問題じゃないんだ。

タイラー・ファラーだろうと、
ウェイラントのルームメイトだったレオパード・トレックの選手だろうと、
私のような間柄だろうと、
単なる自転車ファンだろうと。
どんな間柄であろうと、
今日は沈痛な悲しみでいっぱいだ。

自転車競技のコミュニティ、
ワウテルの家族、
それに友人―誰もが喪に服している。」


私が自転車ロードレースを見るようになる前。1995年にカサルレッリが、2003年にキヴィレフがレース中の事故で亡くなっている。特に、キヴィレフの事故により、ヘルメット着用の義務化のきっかけになった、と知りました。しかし、今回の事故では、ヘルメット着用でも100%安全であるということを教えてくれました。100%なんて無いんだよ、と。

かつて、同じイタリアから訃報が届きました。1994年のアイルトン・セナの事故死です。
しかし、今回の訃報は、より身近に感じました。それは、自分もロードバイクに乗るから。決してレーシングカーに乗る機会なんてありません。

ヘルメットは100%守ってくれる道具ではない。自分で意識して安全に乗らなくてはいけない。

そんな危険と向き合って走っている選手を、心から尊敬したい。

今後、このような悲劇が起きないことを祈りつつ。

Rest In Peace, Wouter Weylandt

2011年5月8日日曜日

少しだけ、GWらしいことを…

今年のGW、人によっては10連休だとか。しかし、私は3~4日が休日出勤。カレンダーの黒い数字は普通に出勤しておりましたので、殆ど連休になっておりません。

まぁ、それも何なんで、5日に友人と連れ立って奥多摩のほうにサイクリングに行きました。

ルートとしては、奥多摩駅から国道411号で奥多摩湖畔。そこから国道139号で山梨県小菅村へ。そこから山を登り、松姫峠を越え、日本三大奇橋のひとつである、甲斐の猿橋まで。

最高地点の松姫峠は、標高1250m。でも、ヘタレサイクリストに対しては十分な威力を発揮。
ん~、やっぱりもっと体重落とさなくてはダメですね。

当日は、こどもの日ということもあり、小菅ではこんな風景も…


ん~、ちょっと天気が悪かったですが…

頂上の松姫峠からの風景も、天気が悪かったのでこんな感じ…


この松姫峠ですが、ハイキングコースの出発点ともなっているようで、ちょっとした駐車場がありました。また、記念碑もありました。


ここからは一気に猿橋まで下ります。
で、日本三大奇橋の猿橋を見物。


猿橋の詳しい説明は、コチラで…
まぁ、刎ね木の一つ一つに屋根が付いてる橋なんて見たことなんてないですから、珍しいんですね…。

ここからは近くの猿橋駅から荷物畳んで帰路につきました。

やはり、体重落とすことが先決。負荷を上げすぎずに長く乗ることを心がけたいと思います。

今回のコースはこんな感じ…

2011年5月1日日曜日

カンチェッラーラとジルベールを分けたもの ~ 春のクラシックの感想

Milano-SanRemoからLiege-Bastogne-Liegeまでの、いわゆる「春のクラシックレース」が終わった訳ですが、これほどまでにビックリする展開は無かったですね。

  • Milano-SanRemo
    1. Matthew Harley Goss (Aus) HTC-Highroad
    2. Fabian Cancellara (Swi) Leopard Trek
    3. Philippe Gilbert (Bel) Omega Pharma-Lotto
  • E3 Prijs Vlaanderen - Harelbeke
    1. Fabian Cancellara (Swi) Leopard Trek
    2. Jurgen Roelandts (Bel) Omega Pharma-Lotto
    3. Vladimir Gusev (Rus) Katusha Team
  • Gent-Wevelgem
    1. Tom Boonen (Bel) Quickstep Cycling Team
    2. Daniele Bennati (Ita) Leopard Trek
    3. Tyler Farrar (USA) Team Garmin-Cervelo
  • Ronde van Vlaanderen
    1. Nick Nuyens (Bel) Saxo Bank Sungard
    2. Sylvain Chavanel (Fra) Quickstep Cycling Team
    3. Fabian Cancellara (Swi) Leopard Trek
  • Paris-Roubaix
    1. Johan Van Summeren (Bel) Team Garmin-Cervelo
    2. Fabian Cancellara (Swi) Leopard Trek
    3. Maarten Tjallingii (Ned) Rabobank Cycling Team
  • Amstel Gold Race
    1. Philippe Gilbert (Bel) Omega Pharma-Lotto
    2. Joaquin Rodriguez Oliver (Spa) Katusha Team
    3. Simon Gerrans (Aus) Sky Procycling
  • La Flèche Wallonne
    1. Philippe Gilbert (Bel) Omega Pharma-Lotto
    2. Joaquím Rodríguez Olivier (Spa) Katusha
    3. Samuel Sánchez Gonzalez (Spa) Euskaltel-Euskadi
  • Liege-Bastogne-Liege
    1. Philippe Gilbert (Bel) Omega Pharma-Lotto
    2. Fränk Schleck (Lux) Leopard Trek
    3. Andy Schleck (Lux) Leopard Trek
緒戦のMilano-SanRemoは、基本はスプリンターたちのクラシックレース。しかしながら、表彰台には、今クラシックシーズンの話題となる2人の姿が…カンチェッラーラとジルベール。
その後のリザルトを見ても、2人が走っていない(と思われる)Gent以外、どちらかが顔を出している。
ただし、この2人は対照的な結果となった。方や惨敗や惜敗。方や勝利。何が2人を分けたのでしょうか。
私は、ひとつにはチームのサポートにあると思います。重要な局面でチームメイトがサポートできる体制にあったか、ということ。明らかにLeopard-Trekの方が、選手層が薄かった。カンチェッラーラをサポートできたのは、実質的にオグレディだけ。一方のOmegaPharmaには、ヴァンデワール、ヴァンスーメレン、ヴェッカネンなど、頼れる選手がサポートしていた。勿論、サポートする選手がいなくなったときもありましたが、Leopard-Trekに比べれば短い時間でした。
それともうひとつ。ジルベールが"SuperMan"だと気づかれていなかった、という点。
Ronde van VlaanderenやParis-Roubaixでは、カンチェッラーラが絶対的優勝候補でした。しかし、ジルベールはアルデンヌ3連戦では、「絶対的」な優勝候補ではなく、あくまでも、優勝候補のひとりでしかなく、ライバルの目が集中することが、カンチェッラーラほどではなかった。
また、ライバル勢の拙い戦略やメカトラにも助けられた部分はあると思います。でも、やっぱり、強いですね、ジルベール。

因みに、「ライバル勢の拙い戦略」は、主にLeopard-Trek。特にL-B-Lは何だったのでしょうか?
"Schleckers"を出しておいて2位、3位というのは、惨敗と言えなくも無い。他の2戦についても、手駒の使い方が悪い。もう少し、戦略を考えられたのではないかと思います。

さて、次はGiro d'Italia!!