2010年6月26日土曜日

Tour de France でのHTC-Columbiaの立ち位置

来週の土曜日、いよいよTour de Franceが開幕します。

各チームからも、メンバーが続々発表されている中、QuickStepのボーネン、Cerveloのハウッスラーの欠場が決定しました。Tour de Suisseでの落車による怪我が原因です。
その落車の原因を作ったのが、HTC-Columbiaのカヴェンディッシュ。ハウッスラーだけでなく、世界選手権を征したこともあるボーネンまで欠場に追いやったとなると、HTC-Columbiaに対する風当たりは相当強いものになると思われます。…以前危惧したように、本当に追走にどのチームも加わらないんじゃないか?

今年は1日目がプロローグ、第1ステージは、Giro d'Italiaでお目見えした海沿いの横風区間があるので、純粋なスプリント勝負とはならなさそう、さらに第2ステージは石畳区間が登場するステージとなるので、純粋なスプリントステージは第3ステージが最初、ということになりそうです。そこでの追走で、HTC-Columbia以外のチームが加わるのか、ここに注目したい。

さて、J-SPORTSがTour de Franceの紹介ビデオを作製していますので、こちらのリンクを持ってきましたので、よろしければご覧ください。⇒ポチッとな!

2010年6月19日土曜日

Tour de Suisse のカヴェンディッシュの落車の件で

何かって、コレです。

抗議云々は脇に置いておきまして、この件が後々に残す影響について考えて見ましょう。

7月3日より、いよいよTour de Franceが開幕となります。一番大きな影響を与えるのが、ここだと思います。
集団の掟として、「ゴールスプリントに絡む選手を抱えるチームは、追走ローテーションに加わること。」というものがある。ただ、今回の件で、追走をHTCだけが引き受ける形にもなりかねない。
今回の件で、大きな被害を被ったのは、Cervelo、AG2R、Caisse d'Epargneの3チーム。特にCerveloは、フースホフトを抱えるチームなので、追走に加わらずに最終スプリントに参加する、という報復措置を発動しかねない。

今回の件で、どれだけ他チームの恨み(?)を買ったか、それはTour de Franceまでのお楽しみ…ですかね。

2010年6月17日木曜日

RadioShackのVueltaから外されたことについて

GranTourの最後を締めくくる、Vuelta a Espanaの出場招待チームが発表されましたが、ProTourTeamのRadioShackが招待されませんでした。監督であるブリュイネールは猛抗議していますが…ちょっと浅はかではないかと思います。

Vueltaの出場チームは、事前に16チームが決まっています。これは主催者と各チームによる協定があり、ドーピング等のネガティブイメージが無い限りは出場できます。残り枠が6チーム。この枠を狙える有力チームとして…
  • Garmin (P)
  • Sky Professional Cycling Team (P)
  • Team Katusha (P)
  • Team RadioShack (P)
  • Andalucia - Cajasur
  • Xacobeo Galicia
  • Cervelo Test Team
(P)…ProTourTeam

以上7チーム。枠は6しかない。
Garmin,KatushaはProTour 2年目、Andalucia, Xacobeoは地元チームで注目度はある。
どのように考えてもRadioShackは苦しい立場に立っている状態であった。追い討ちをかけたのがGiro d'Italiaに対する事前不出場の通達であろう。
チームがレースを選択するのであれば、レース主催者がチームを選択しても、何ら問題は無いでしょう。事前に出場できない可能性があったにもかかわらず、騒ぎ立てるのはいささか幼稚ではないであろうか。
RadioShackが出場できなくなったとしても、Vuelta a Espanaは面白いレースを魅せてくれるでしょう。



2010年6月6日日曜日

自転車ロードレースの普及?

日本では影の薄い競技、自転車ロードレース。

欧州では、サッカー、モータースポーツに並び有名なスポーツです。

この違いは何だろう、とたまに思うわけですが…。

日本といえば、古くから野球が盛んで、ここ20年近くはサッカーも盛んになってきました。
他はというと、相撲、格闘技系、マラソン、駅伝、ラグビー、バレーボール…くらいでしょうか。あとはバスケットですかね。

戦前から行われている野球や相撲は置いておいて、やはりメディアへの露出というものが大きいと思います。

バレーボールなんていい例ではないかと思います。代表戦を民放が独占放送しますね。あと、高校バレー。これも民放が放送します。人気高いです。国内リーグ戦はあまり見かけませんが、スポーツニュースでは良く取り上げられます。
私が思うに、国際的に実力があるからこそ(まぁ、女子だけですが…)だと思います。

サッカーにしても、国際的競争力、ワールドカップに出れるかどうかというあたりから人気が出始めました。勿論、Jリーグの発足というものは大きいと思いますが。

自転車ロードレースは、それほどの実力はありません。勿論、欧州で活躍する、新城、土井、別府の3選手の実力は世界トップクラスです。でも…そのほかは…? オリンピックでの成績は?
フランスにA.S.O.という組織があります。Tour de FranceやParis-Dakar Rallyを主催する組織です。彼らはメディアのコングロマリットの一組織です。メディアが率先してそのスポーツイベントを盛り上げています。(ひいては自分たちの宣伝にもなる。)
残念ながら日本にはありません。放送局主催のスポーツイベントはありますが、あくまで放送局。放送局のスポーツ部門が運営から何から何までを取り仕切る訳ではない。
であれば、実力でメディアに振り向いてもらうしかない。
レース会場で盛り上げないと、って言う選手がいたようですが、そんなこと言っているのであれば、実力をつけて成績を出せ、日本全体のレベルアップを実現させるためにはどうすればいいか考えろ、と言いたい。

残念ながら、そうでなくては、マイナースポーツに対してメディアは振り向かない。

2010年6月5日土曜日

話題の電動アシストロード

そうですねぇ…「アホじゃない!?」といいたくなるような、ちょっと怖くもある話。

「メカニカル・ドーピング」--つまりは、ロードバイクに何らかの仕掛けをして、実力以上のパワーを出そうということ。
で、電動アシスト。

詳しくは、コチラの動画を…













要は、シートチューブにモーターとバッテリーを仕組んで、クランクを回そう、ということらしいが…
まぁ、はっきり行ってアマチュア選手のすることで、一級のプロのすることではないですね。あまりにもリスクがありすぎるし、あまりにも効力が薄い。

どういうことか、というと…

一般の電動アシスト自転車を想像していただくといいのですが、アレ、電池が切れるとどうなると思いますか?
すご~~く重くなります。
電池が切れた場合や故障した場合、ただの負荷装置と成り下がる。
そして、シートチューブの直径は、大体30mmくらい。そこに収まるモーターの出力なんて、たかが知れている。
平均的に500wが出せる選手にとっては微々たる物。ましてや、1000w以上出せる超トッププロにしたら、無いのも同然。

まぁ、やるだけ無駄。世間騒がせなニュースでした。

2010年6月3日木曜日

バルベルデの出場停止で思うこと

スポーツ仲裁裁判所にて、イタリア限定であったバルベルデの出場停止処分が全世界に適用されることになった。
オペラシオン・プエルトで、フェンテス医師宅にあった血液バックのひとつが、彼のものであった。フェンテス医師は、血液ドーピングによりスペイン当局に拘束された。

この嫌疑をかけられている人は多い。いや、多かったというのが正しいか。

しかし、ここで確認しなくてはいけないのだが、確かに血液バックは彼のものであった。が、バルベルデが血液ドーピングを行った、という証拠は何処にも無い。

ただ、血液ドーピングを行っていた医師宅から血液バックが見つかった、という事実は、ちゃんと受け止めなくてはならないし、説明をしなくてはいけない。「じゃあ、何のためにフェンテス医師に血液を預けたのか」と。

今年のGiro d'Italiaで総合優勝を挙げたイヴァン・バッソも、フェンテス医師宅に血液バックを預けていた一人だ。そして、2年間の出場停止処分を受けたのだ。ドーピングはしていないのに、だ。(もっとも、「しようとした」のだが…)

バルベルデには大きな説明責任があると思う。もし、それが果たせない、もしくは、邪な動機であったのであれば、素直に出場停止処分を受け、クリーンな状態で戻ってきてもらいたいものだ。

2010年6月1日火曜日

波乱ばかりのGiro d'Italia

Giro d'Italia が閉幕しました。
結果だけ見ると、Liquigasのバッソが自身2度目の総合優勝、となったわけですが…。

内容がものすごく濃い!!

近年のグラン・ツールの中でも、群を抜いているとおもいます。

Stage#1~#3 は、オランダでのレース。初日はタイムトライアルで、特に波乱はありませんでしたが、#2~#3は、落車の嵐。Garminのヴァンデベルデ、Caisse d'Epagneのブルセギンが早くもレースを去る原因となりました。

休養日明けの#4は、チーム・タイムトライアル。突如降りだす雨。本命のGarminHTCが撃沈。Astanaは5人目が切れそうでヴィノクロフが叱咤。結局、伏兵Liquigasの勝利。

そして、#5は日本の新城選手をはじめとした4名の逃げ。普通はゴール前でつかまりますが、これが捕まえられないのが今年のGiro d'Italia。ほんの200m差で逃げ切り、惜しくも新城選手は3位。手に汗握る展開でした。

#6は、ノンビリムードとはならず、オランダに逆戻りしたような風と細い道、そして、落車。この日も逃げ切り…。

#7は、「白い道」と呼ばれる未舗装路を通るレースであったが、雨のお陰で手前で総合1~3位が仲良く落車。その先の未舗装路は「茶色い道」に豹変。選手全員泥だらけ。おかげさまで、コレ以降のステージでリタイア続出。

#8はお休みモード。でも雨。逃げ切り。

#9は洪水

#11は前代未聞、56人の逃げ。プロトン崩壊。総合順位総入れ替え。…よくわかんない。

#13はエヴァンスとリーギがプロトンで喧嘩。…罰金刑。でも、この日は、ゴール地点が生まれ故郷のベレッティが涙の勝利。こちらももらい泣き。

#14より、主催者のドSっぷりむきだしの地獄の一週間に突入…
Liquigasのシュミットの魂の牽引で次々とライバルを引き離し、ついに#19でマリア・ローザはバッソの手に。その後も、総合首位を明け渡すことなく、最終ゴール地点のヴェローナのアレーナにたどり着いた。

各ステージで巻き起こる事件も然ることながら、最終週の山岳ステージでのLiquigasの波状攻撃はどのチーム対応できず、どのライバルも最後には力尽きてしまった。
エヴァンス、スカルポーニ、ヴィノクロフ、アローヨ、ガルゼッリ、サストレ…。

ただ、エヴァンスは、途中のステージで高熱にうなされていたそうだ。それでも総合5位完走。しかもポイント賞。彼の走りは魂そのもの。

これは、Tour de France も楽しそうだ!!