2009年7月29日水曜日

兵どもが夢のあと…Tour de Franceが終わって

Tour de Franceの約3500kmに渡る激闘が終了しました。

コンタドールが2位のアンディ・シュレクに4分以上の差をつけて、自身2度目の総合優勝を果たしました。
ここ2年の中では、大きな差となりましたが、盛り上がりは1番ではないでしょうか。
要因としては…
1. 7連覇を果たしたアームストロングが4年ぶりに復帰したこと。しかも、コンタドールのチームメイトとして。アームストロングの言動一つ一つに注目が集まり、メディアが踊らされた感も…しかし、総合3位は立派。
2. ウィギンスの活躍。タイムトライアルのスペシャリストが、いつの間にか総合上位に食い込んだ。表彰台には届かなかったものの、大いに楽しませてくれました。
3. カヴェンディッシュとフースホフトのマイヨ・ヴェール争い。集団スプリントで圧倒的強さを見せたカヴェンディッシュ。一方で、スプリントで常に上位につけると共に、山岳ステージで逃げを見せたフースホフト。軍配はフースホフトに上がったが、カヴェンディッシュが上れるようになると、かなり手強い。
4. 13年ぶりに日本人選手が出場。しかも2人。更には完走。新城選手はスプリントで存在感を見せ、別府選手はチームの一員としての役割をきっちり果たし、しかも最終シャンゼリゼで逃げをうち、敢闘賞を獲得した。日本人選手もトップレベルで平然と勝負出来ることを証明してみせた。
5. ケニー・ヴァン・ヒュンメルのドキドキ完走劇場。NewYorkTimesにも取り上げられ、現地では人気者に。残念ながら落車負傷でリタイアとなってしまいましたが、優勝争い以上に盛り上がったと思います。

残念なことも…
1. 優勝候補の早々の脱落。メンショフ、エヴァンスは、序盤のチームタイムトライアルで振るい落とされ、サストレも山岳で遅れた。ヘーシンクは残念ながら落車骨折でリタイア。優勝争いに絡んだのは、アンディ・シュレク、ウィギンス、あとは、チームメイトのアームストロングとクレーデン。役者が少なかった。
2. スプリンターの不甲斐無さ。集団スプリントを制したのは、カヴとフースホフトの2人だけ。色々調整して出てきたボーネンも、結局絡まずリタイア。ベンナーティも精彩を欠き、ナポリターノは早々にタイムアウト。1km手前で結果が分かっちゃう。つまらない…

今年のグラン・ツールもブエルタを残すのみ。こちらへの期待も高まりますな。

2009年7月22日水曜日

Tour de France ~ 王者の選択

Tour de Franceは、第17ステージ。

Alpsでコンタドールが予想通りのマイヨ・ジョーヌを獲得&キープ。
Astanaチーム内部のごたごたも、結局は、アームストロングにまわりが踊らされた、という感じ。

いま走っている第17ステージは、総合ではなく、ポイント賞争い。
フースホフトが単独逃げで、1つ目の中間ポイントをゲット。今日は山岳ステージですから、カヴェンディッシュはグルペット。
「山を登れない奴がマイヨ・ヴェールをねらうんじゃねぇ!」と言わんばかり。

さてさて、現在最強チームのAstanaですが、ブリュイネール監督がチームを去るようです。
Tour de France開幕前、2年間の出場停止が明けるヴィノクロフが会見を開いて、「私がAstanaに所属するのは当然。ブリュイネールはそれを認めるか出ていくべき。」と取れるような発言をしました。

さて、Astanaにはだれが残るでしょうか…?
アームストロングは自身のチームを立ち上げるそうです。そうすると、ライプハイマー、ポポヴィッチはそちらへ行くでしょう。コンタドールは、F1ドライバーのアロンソが立ち上げるチームへ行くとの噂。スベルディアも同じスペイン人として行くのかなぁ…
気になるのは、クレーデン。ヴィノクロフ所属当時からAstanaにいるわけで、ヴィノクロフが来る、ブリュイネールが去るからといって、チームを離れる理由はないわけで、去就が気になりますね。

2009年7月18日土曜日

Tour de France ~ 新鋭の実力とベテランの意地…?

Tour de France は、第13ステージまで消化。
総合争いは、依然として動かず。
予想外の出来事として、Astanaのライプハイマーが手首を骨折し、リタイアしたこと。
新人賞も、U25歳の総合争いですから、これも変わらず。

山岳賞争いについては、LiquigasのペッリツォッティがEuskaltelのマルチネスデエステバンを逆転。ペッリツォッティは上りの力が強いし、万全であれば総合争いもできる実力。今回は、Giroの疲れがあったり、ニーバリとクルイジガーがエースだったりで、山岳賞に名乗りを上げているのだろう。こちらは、ペッリツォッティが総合争いの選手に持っていかれない限り、(多少の変動はあっても)磐石ではないでしょうか。

面白いのがポイント賞。
現在はCerveroのフースホフトが首位。2位にはカヴェンディッシュ。
ガチンコのスプリントでは「オレ様最強!」カヴェンディッシュが勝つのですが、中級山岳ステージやちょっとした上りゴールだったりすると、「若造は引っ込んどれ!」フースホフトが掻っ攫う。この争いはどんどんエスカレートして、「マイヨ・ヴェールは狙わないから、中間ポイントを獲りにいくようなまねはしない」といっていたカヴェンディッシュが、フースホフトをだまくらかして獲りに行っちゃったりして、中間ポイントも目が離せない状況になっちゃいました。
本日の第14ステージは、比較的平坦なルートで、逃げを容認しない限り、スプリント争いになるでしょう。
気になるのは、ゴール前残り2kmから1kmにかけて、ちょっと上っているということと、逃げを追いかけるのに、Columbia-HTCに協力するチームが存在するか、ということの2点。
私がCerveroやGarminの監督であれば、絶対に協力しない、もしくは、1人くらい出すけど三味線弾かせる、くらい。
そういうわけで、逃げを得意としている皆様には、絶好のステージになるのではないでしょうかね。

2009年7月13日月曜日

Tour de France 序盤戦終了

Tour de Franceは、モナコをスタートし、バルセロナを経由し、ピレネー山脈を越え、最初の休息日を迎えました。

まぁ、何でしょうかね。Silence-LottoやRabobankは不運の連続ですね。
しかし、Rabobankのテンダムは大丈夫でしょうか。ツールマレー峠の下り道で落車。ジャージがボロボロになっても、走り続けていました。まぁ、下りきったあとに、集団を曳いてましたから、まぁ大丈夫でしょう。
Caisse d'Epargneもペレイロがリタイア。でも、LLサンチェスがステージ優勝。最後の4km走りは非常にクレバーでしたね。誰かさんとは大違い。

BouyguesTelecomは調子がよろしいようで、ヴォクレール、フェドリコがステージ優勝。
Columbia-HTCは、マルティンが新人賞トップ。カヴェンディッシュも2勝。でもポイント賞は狙わないそうで。グランツールのポイント賞は、彼にはまだ厳しいかな。

山岳賞は混沌としていて、アルプスまで分からないですね。

これからのステージ。注目が第10、13ステージ。
第10ステージの7月14日は、フランスの革命記念日。そして、この両ステージは、選手たちが無線なしで走る。普段とは違うレースが見れそうだ。


2009年7月12日日曜日

灯台下暗し ~ 梅丹本舗GDRの財政問題

Tour de Franceも第8ステージまで進みましたが…
Rabobankのヘーシンク、Caisse d'Epargneのペレイロがリタイア。
ヘーシンクは落車で手首を骨折したようです。
今年は…いや、今年も? 落車が頻発していますねぇ。

ところで、2ヶ月前、ASTANAの財政問題がありました。今年に入って2ヶ月分しか給与が支払われなく、銀行保証金を預けなければ、チー
ムが存続できない…しかし、その危機を脱し、今、ツールを走っています。

ふと、日本国内を振り返ると…梅丹本舗GDRが財政危機だそうです。

正式名称は、「梅丹本舗・グラファイトデザイン・エキップアサダ」…だったかな?

日本は実業団チームが殆どですが、このチームは、国内では珍しい独立した実業団ではないチームで、欧州を中心に活動しています。監督の浅田顕さんは、別府青年を欧州へ送り出し、新城青年を見い出した人。つまりは、今ツールを走っている2人の日本人は、浅田さんがいなければ、ツールに出られたか、定かでは無いんです。

そんな浅田さんが率いるチームが財政危機に陥っているそうです。
財政難だ、という話は前々からありましたが…因みに、企業からだけでなく、個人のスポンサードも受け付けているそうです。

ただね。私の感想は冷めていまして…

こんなことを書くと怒られると思うのですが、どれくらいの企業が興味を持つでしょうか。
何故、そのように思うかと言いますと、
1.彼らの主戦場は欧州。そうすると、自然と欧州を相手にする企業でないと、あまりメリットを見い出せないという点。
2.欧州のチームもそれほど財政が豊かではない。スポンサーをするなら、より活躍するチームを選択するのは、企業心理として当然だろう、という点。
どちらかというと、後者のほうが重要で、新城選手所属チームのメーンスポンサー「ブイグテレコム」は来シーズン限りで降りることがわかっています。また、Tour de France第7ステージでステージ優勝したフェイユ所属チームスポンサー「アグリチュベル」も今季か来季かで降りるそうです。確か、コフィディスも降りるそうだし、サクソバンクは、当初のサブスポンサーが破産して、財政的には厳しいみたいです。
日本企業に対して一斉に手をあげられたら…彼らはTour de Franceには、「ほぼ確実に」出場できる。一方、梅丹本舗は「確実に」出場できない。金額は全く違うでしょうが、宣伝効果を考えると、梅丹本舗は分が悪い。
梅丹本舗には、この財政危機を乗り切ってもらいたいですが、チーム戦略の見直しを多少なりともしたほうがいいんじゃないかなぁ…とおもう、今日この頃です。

2009年7月8日水曜日

Tour de France ~ 勝手に総合予想

Tour de Franceも5日目に突入。

前日のチームタイムトライアルは、落車続出の大波乱。
Skil-Shimanoで1名リタイアしたようですが、あのコースでチームTTはどうだろう…という気がします。
でも、5日目はいたって平和…と思いきや、メイン集団で落車がちらほら…

4日目のチームTTで、少し総合争いが見えてきたような気がします。
そんな訳で、勝手に総合予想。

<いけそうな人たち>
アルベルト・コンタドール (Astana)
上りの安定感は、出場選手の中で一番。
今年は、スペインのタイムトライアルチャンピオンとなり、タイムトライアルも心配なし。
今年のParis-Niceであったような失敗は、もうしないでしょう。
唯一の心配は、チームメイトか?

アンディ・シュレク (SaxoBank)
上りについては、コンタドールほどの安定感はないかもしれないが、ほとんど問題ないレベル。
3年前のGiro d'Italiaで2位になった時の力が発揮できれば…
タイムトライアルが弱点だが、チームの強力なサポートが期待できる。

<もしかしたら…という人たち>
ファビアン・カンチェッラーラ (SaxoBank)
泣く子も黙るタイムトライアル・スペシャリスト。
しかし、Tour de Suisseで見せた総合力を見せられれば…
また、Saxobankはシュレク兄弟にどうしても注目が行ってしまうので、それも良い方向に転ぶのでは?

ランス・アームストロング (Astana)
4年ぶりに戻ってきた“ボス”は、チームメイトであるコンタドールのアシストを表明しているが、今のところ、そんな素振りなし。現在の順位もタイム差なしの2位。
タイムトライアルも苦手とせず、何より7連覇の経験がある。
さて、アシスト…するのかなぁ。

ヴィンチェッツォ・ニーバリ&ロマン・クルイジガー (Liquigas)
結構いけるんじゃないかなぁ…
というのは、このLiquigasの若い2名は、上りの力もタイムトライアルの力もそこそこ持っています。
また、今年のGiro d'Italiaで総合3位のペリッツォッティもいるので、良いアシストも受けられそう。
新人賞対象選手ですが、より高みも目指せそうです。

<ん~、今年は…>
カデル・エヴァンス (Silence-Lotto)
この人は、ツキがないですね。
チームTTでは、チームメイトが早々に落車して厳しいTTになってしまった。
総合争いするためには、つまらないところでタイムを失い、チーム力の無さを露呈してしまった形になった。
結局のところ、個人の力はほかのライバルと対等に渡り合えると思いますが、チーム力の無さが致命傷。

デニス・メンショフ&ロベルト・ヘーシンク (Rabobank)
メンショフはチームTTで落車、ヘーシンクはこの5日目で落車。Rabobankとしたら踏んだり蹴ったり。
個々の力もチーム力も申し分ないのですが…

カルロス・サストレ (Cervero)
昨年の総合優勝者。
実力はありますが、昨年は実力+チーム力で勝ったようなところがある気がします。
今年は、そのチーム力に欠けているような気がします。
とくに上りでは…ゴメスマルチャンテ…だけ…かなぁ。そうでないにしても、サブエースがいないのは痛いかなぁ。

2009年7月6日月曜日

Tour de France Start!!

仕事が忙しく、更新を怠っていたらTour de Franceの開幕を迎えてしまいました。
出場メンバーが変更されたチームもあったりしましたが、無事にスタートを迎えたようです。

第1ステージのタイムトライアルはLiveで見ることができませんでしたが、カンチェッラーラが他を圧倒して勝ったようです。Tour de Suisseの好調さをキープしているようですね。

一斉スタート初日となる第2ステージは、カヴェンディッシュがこちらも圧勝。ただ、それよりも新城幸也が5位入賞に興奮しました。

これから3週間、眠れぬ日々が続きますねぇ…

新城幸也といえば、出身地石垣島の地方新聞「八重山日報」の記者が、ツールに帯同しているそうです。恐るべし、八重山日報!
神奈川新聞の記者は行っていないのかなぁ。(別府史之は茅ヶ崎出身)

全国紙でも、この2人は取り上げられていましたが、日本人が出場する、ということが当たり前になって欲しいな、と思います。

現在、第3ステージですが…すごいゆっくりですねぇ…
でもまぁ、スプリントになるんでしょうね。

2009年7月1日水曜日

Tour de France Roster (AG2R, Cofidis, Française des Jeux, Agritubel)

Tour de Franceまで、あと…3日!

で…早速きな臭い匂いがしてきましたが…?
Silence-Lottoのデッカーが2007年12月のDopingTestの再検査でEPO陽性が出たそうで…
07年だから、未だRabobank在籍のときですな。
っていうか、何で過去の検体ひっぱりだしているのか…よくよく読むと当時から数値が怪しかったらしいな。
というわけで、ウェゲリウスが代わってTourに出るそうです。
(あ、これはもう、今年もエヴァンスは無いな…)

さてさて、ここ数年ぱっとしない、地元フランス勢を見てみますか…
BBoxは既にやりましたので、それ以外の4チームを。

AG2R
いつも思うのですが、これで"アージェードゥゼール"と読むんですよね。外国の言葉ってすごいなぁ。
ウラディミール・エフィムキン、デッセル、ノチェンティーニ、アリエッタ、デュポン、グベール、モンドリー、リブロン、ロッシュ。
フランスのチームですが、結構多国籍。
エフィムキンは、結構上位に食い込むことが多いので、要注意です。また、デッセルやノチェンチーニの登坂力にも注目。ロッシュが、先日のアイルランド選手権で勝ったため、ナショナルチャンピオンジャージを着用。どんな色使いのジャージになるか楽しみ。

Cofidis
オジェ、デュムラン、デュケ、フェルナンデス、ケルヌ、ミナール、モワナルド、モンクティエ、ポリオル。
こちらはフランス色が強いですね。
J-SPORTSで栗村さんに散々やる気無いと言われてしまうモンクティエ。多分、そういう風に見える顔のつくりだと思うのですが…。ドーフィネでも良い活躍をしておりましたので、山岳賞を狙っていくでしょうか。
昨年までは、「逃げ屋」シルヴァン・シャヴァネルがいましたが、Quickstepに移籍してしまいましたので、みんなで逃げを打ってほしいです。

Française des Jeux
カザール、コッペル、ジェラン、フタロヴィッチ、ジョリ、ルメヴェル、ヴォグルナール、ヴェッカネン。
よく聞く名前ですが、成績が思い出せません(失礼)…ということは、よく逃げている?
戦力的に「これは!」というものが無いので、逃げて目立って、あわよくばステージを…

Agritubel
ブーエ、カルザティ、Bフェイユ、Rフェイユ、ゴンサーロ、ルレ、ルカトル、モロー、ヴォゴンディ。
モローばっかり注目が集まりますが、Rフェイユも昨年マイヨ・ジョーヌを1日だけだが着用。あれはね、日が悪かったね。獲った翌日がTTだったからね。でも、若手が多いが各年代の選手が入っており、モローに代わるエース争いという観点で見ると、結構楽しめるかも。成績は…まぁ、おいといてね。